メシフクロウの雑記

メシフクロウの雑記です。文字で語りたい。

冬の八甲田山へスノーボード。美味いカレーを添えて

八甲田山へ父と旦那とスノーボードに行く。
滑った結果は頭を強打し、途中で心が折れるという散々なものだったが、
それを補って余りあるほど、山の景色は雄大であった、という話をだらだらとする。


八甲田山には、リフトを使うスキー場と、ロープウェーを使い山頂から滑り降りるコースの2種類がある。今回はロープウェーを利用。
ロープウェーの運転は20分間隔。1本逃すと次まで少し時間があるので気を付けたい。
片道1180円、5回券5050円と、やや他のスキー場に比べて割高だが、「5回券に使用期限はないよ」という売店のおじ様のアドバイスを受け、5回券を購入した。

スノーボードを抱え、赤色と白色に塗られた年期の入ったロープウェーに乗り込み、頂上へ。
窓からは見渡す限りブナの木が生い茂る雪景色。頂上付近にはアオモリトドマツの樹氷が現れ始める。
この時期にでもまだ樹氷が残っているのか、と感動。

ロープウェーを降り立つと、抜けるような青空と銀色の雪原。
余りの風光明媚さに、3人で浮き足だっていたら、また通りがかりのおじ様が、
「景色が一番良いのは、あの上の方にあるパラボラアンテナ付近だよ。そこが本当の頂上だから」と教えてくれた。
ありがとう見知らぬおじ様。
「(ロープウェーを降りてすぐの)ここから見える景色は、上の3分の1」
と添えられたら、登らぬ訳にいかない。

3人でボードを抱え、えっちらおっちら登っていった先には、大パノラマが広がっていた。
遠くにそびえ立つ山々、見下ろすと青森市の町並みがボンヤリと佇み、陸奥湾の弓なりのカーブを捉えることが出来た。
青空と日光が目に眩しい。白銀はこれ程までに人の心をうつものか。

ひとしきり写真を撮り、3人で記念撮影をしたところでようやく本番だ。滑り始める。

頂上から滑れるコースにも2種類あり、林間を走り抜けるフォレストコースと、斜度がありコースが横に広いダイレクトコースだ。
両方共滑ったが、頂上付近の雪は滑り易かったが、下に行くほど水分を含んでおり、新雪の上ではボードが止まってしまうような状態。
わたしも久方ぶりの滑りで何度もこけた。受け身が取れず頭を2度強打した結果、恐怖心に打ち勝てずほとんどまともに滑れなかった。

一方楽しそうにしてたのは父と旦那だ。
すいーすいーと雪を捉え、わたし視点からは凄まじい勢いで滑っていた。特に旦那は初めて来る八甲田山コースに興奮しっぱなしであった。途中で穴にはまっていたが。
新雪の悪条件を理由に2回で滑り終えたが、5回券はまだ残っている。来年度が楽しみだ。
次に来る時は、わたしは地上で本でも読み、高みの見物をすることにする。


最後、もう1つどうしても書き留めておきたいことがある。
カレーの美味さだ。

八甲田ロープウェーと隣接して食堂がある。
あまりの空腹に、3人でそこで食事をとることにした。
あまり食べたいものがなかったので、無難にカレーを注文。セルフサービスに水だけでなく温かいほうじ茶があるのが嬉しかった。

やってきたカレーを食べ、むむ、と唸る。
美味い。
何だかわからんが、妙に美味い。

ルーは甘めで、ビーフの味わいを感じる。
洒落た洋食屋のように気取ってはおらず、
レトルトの安牌さもなく、
お家カレーのもっさり感もない。
気安さと、外食に求める特別さが丁度良いのだ。

具はマッシュルームと牛肉の細切れが見てとれた。ニンジン、じゃがいもはそこまで主張していない。
添えられた福神漬けとルーが合うこと合うこと。
後頭部を強打した情けなさも吹き飛び、むしゃむしゃと夢中になって食べ尽くした。

どうやら手作りカレーらしい。
もし八甲田山へ滑りに来て、食堂に寄るならカレーを食べてみてほしい。
丁度良い風味があなたを包みます。


八甲田山周辺には温泉旅館もあり、日帰り入浴もやっている。夏は高山植物と登山が楽しめる。
雄大な景色、刺激的なアクティビティ。
そして、美味いカレーを求め、
休みの日に八甲田山を訪れる人たちが増えると良いなと思うのであった。