メシフクロウの雑記

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【ネタバレほぼ無し】漫画・約束のネバーランドの魅力を、3つとは言わずたくさん語りたい

漫画、約束のネバーランド。7巻まで一気読みしてしまった。
ここまで贅沢な物語を読んだのは久しぶりである。

今日は備忘録がてら、約束のネバーランドの魅力を綴ろうと思う。

約束のネバーランドとは


週刊少年ジャンプに連載されている漫画。
孤児院グレイス=フィールドハウス(略称GFハウス)で、
母代わりの「ママ」と共に暮らす少年少女たちが、
ハウスに隠された真実に気づくことから物語が始まる。
ネタバレになるので多くは明かせないが、
子供たちが自らの手で未来を切り開く大活劇である。

原作の白井カイウさんは2015年に原作担当としてプロデビューしたばかりで、
約束のネバーランドは初の連載作品にも関わらず、
その面白さからシリーズ累計の発行部数は既に300万部を越えている。


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この漫画、何がそんなに人の心を惹きつけるのか。

・ストーリー
・表情
・テンポ感

わたしはこの3点をあげておきたい。

ストーリーが良い!


まずはストーリーの描き方が異様に上手い。
主人公たちの視点を通じて、弛緩と緊張が小気味よく繰り返され、
次の展開はどうなるのかハラハラドキドキが止まらない。

GFハウスには大きな謎が内包されていて、謎に迫るべく子供たちは知恵を振り絞る。
しかし振り絞った知恵をやすやすと跳ね除ける、巨大な存在が行く手を塞ぐ。
知恵と知恵とのぶつかり合いは心理戦の様相を呈し、
どうやって相手を出し抜くのだろうかと読者視点で眺めているうちに、
物語内に巧妙に張り巡らされた伏線に、見事に虚を突かれる。

登場人物は皆、実に感情豊かに描かれており、
誰1人、モブキャラがいない。
そして、必ず見せ場が用意されているのが嬉しいところ。

シリアスとユーモラスが軽妙に混ざり合い、
そこにしっかり練られたプロットが合わさることで
重厚な世界観が成立している。
読者をSっ気たっぷりに翻弄してくる展開も、見ていて飽きない。

表情が良い!


モブキャラがいないと前述したが、
その他大勢はこの漫画にはほぼ登場しない。
名前があり、個性があり、
コマの端っこにちんまりと登場する時でも、実にイキイキと姿が描かれている。

作画担当の出水ぽすかさんの画力には、舌を巻かざるを得ないだろう。
GFハウスの場面では、1つのコマに10人以上の子供たちが描かれるのも珍しくない。
しかも、子供たちはよく遊ぶ。よく動く。よく食べる。
躍動感のある鬼ごっこの場面は、見ているこちら側も体がうずうずしてくる。

また、物語が進むにつれ、登場人物たちの表情も少しずつ変化していく。
理由は様々で、成長であったり、経験であったり、達観であったり。
これからこの人物はどういった表情を見せてくれるのか、
そしてどんな運命が待ち受けているのか。
表情1つとっても、楽しみで仕方がないのである。

テンポ感が最高に良い!!


約束のネバーランド、何より評価したいのはこのテンポ感の良さだ!!!

主人公たちが挑む謎は、途方もなく大きい。
どうやって解決したら良いのか、主人公たちの心の葛藤を描くだけで2〜3話分になりそうだし、
主人公以外のキャラクターを取り上げ、別視点で延々と物語を綴るなんてのも出来そうだ。

しかし、この漫画はそんなことはしない。
巨大すぎる謎にひたすら挑んで、よそ見などしないのだ。

主人公以外の視点もたまにはあるが、それも伏線のうち。
「物語上必要だから」描いている、と読み進めているうちに気づいた。

物語のテンポを殺さぬよう、
しかし登場人物の個性を殺さぬよう最新の注意を払いつつ、漫画は描かれている。

週刊少年ジャンプに連載されている長編物で、
間延びせず展開を楽しめる。
しかも、毎話進展があり、新たな事実、新たな謎が明らかになる。

何て贅沢な漫画なんだ!と7巻まで読んで思ったのである。


ちょっとだけキャラクターを紹介


最後に、せっかくだから魅力的な主人公'sを紹介しておきたい。


まずはエマ。
約束のネバーランドは、女主人公・エマ中心に描かれている。
運動神経抜群で、驚異的な学習能力を持つ。
飛び抜けた明るさを持っており、GFハウスの誰もに好かれている。
少しばかり抜けたところもあるが、誰よりも兄弟姉妹を思いやり、
情が深く優しい子である。

エマの天真爛漫さは、物語の中でまさに光だ。
彼女を見ていると驚かされることも多い。
子供故に脆い部分もあるが、他2人の主人公と切磋琢磨しながら
成長していく彼女をどうか見てやってほしい。


次にノーマン。
GFハウス1の頭脳を持つ少年で、エマ、そして次に紹介するレイと同年齢だ。
どんな時にも穏やかな笑みを絶やさぬ子で、
読者視点では、心の深層に何を秘めているのかわからぬことも多い。
しかしエマ同様、仲間をとても大切に思っており、
やると決めたからには必ずやりとげるという、誰よりも強い信念を持つ。

ノーマンがいれば、きっと何とかなる。
GFハウスの兄弟たちと同じことを、きっと読者も思うであろう。
常に広い視点で物事を見ており、子供とは思えぬ思慮深さも合わせもつ。
彼のようになりたいと思わせる人間性を持ったノーマンには苦労も付き物だろうが、
とにかく幸せを祈りたい。


最後にレイ。
ノーマンと互角に渡り合える頭脳を持ち、博識で知恵者の少年。
眼光が鋭く、物静かな雰囲気を持つ
エマや兄弟たちをからかうなどして皮肉屋の一面もあるが、
その影には仲間への深い愛情がある。
心の内をなかなか表に出さない彼ではあるが、
己の信念を貫き、どんな逆境も乗り越えようとする強さが光る。

レイはエマ、ノーマンに比べると影があるキャラだ。
サポートキャラ的立ち位置の為、エマ、ノーマンに隠れがちではあるが、
物語が進むにつれ徐々に彼の魅力に気付かされるであろう。
レイは誰よりも、熱い炎を心の中に抱えているのだ。




約束のネバーランド、現在の最新刊は8巻。
まだ読んでいないので、手にとるのが今から楽しみである。

もしこの記事を読んで、エマ、ノーマン、レイ、
そして登場人物たちに会いたいなと思ってもらえたら、
これ程嬉しいことはない。

ママ・イザベラを初め、魅力的な登場人物ばかりなのだが、
紹介するとキリがないのでここで打ち止めとする。

これからの展開に期待することや、
登場人物について思うことなど色々あるので、
ネタバレ有りの別記事で語ろうと思う。

じゃね!