メシフクロウの雑記

メシフクロウの雑記です。文字で語りたい。

居酒屋に行って、モヤモヤと考えさせられた話

とある居酒屋に行き、色々と考えさせられた話をする。その日、久しぶりに居酒屋でハズレをひいたのだ。


その居酒屋、店内は気さくな雰囲気で、そこそこ常連もついているようだった。
料理は基本コースで注文が必要らしく、一品料理も記載があるがオススメしないと添えられた。
コースに限定するのは、お店側の食材ロスを少なくする為と、メニューに記してあった。
店員から注文方法を聞いて、少なからず驚かされる。そこまでお腹も減っていないのにコースとは。
「食材ロスを少なくする為」と明記してあるのも、飲食店としては随分思い切っている。
しかし郷に入れば郷に従えだ。大人しく少な目のコースを選択した。

結論から言うと、提供された料理の味はまずまずである。まずくないが、美味しいという訳でもない。
コースに含まれる料理の記載がなく、1品目にお握りがきたのがショックであった。我々はお酒とツマミで一杯やりたかったのだ。
嫌いな物のリクエストは注文時に受け付けてくれたので、その時に料理の希望を事細かに伝えておくべきだったと深く悔やんだ。
仕方なしに、元々頼みたかったポテトフライを一品料理で注文。やはり味はまずまずであった。

ふとテーブルの端を見ると、置いてる七味唐辛子の賞味期限が2015年だった。期限が書かれている面が堂々とこちらを向いていたので気づいてしまったのである。
期限が切れているのは目を瞑る。せめてバレないようにしてほしかったと頭を抱えた。

SNSで宣伝してくれないとお店がやばいんです」というチラシが壁に貼ってあるのも見つけてしまった。
経営状態が大変だと、店側が正直にアピールする告知文を最近よく見る。
冗談まじり、本気まじりのチラシなのだろうと、ボンヤリ眺めるまでに留めた。


店を出た後、

「お客に求めすぎている。お客が来たくなるようなお店を作るのが先決ではないか」

と連れは話した。

同意であった。
「この店行きなよ!」と友達にオススメ出来る点が見つからなかったわりに、お店側の都合をぐいぐいと押し付けられたようで、ぐったりした。
せっかくの外食が、とみすぼらしい気持ちになって帰路につく。

常連さんがついているのだから、きっとニーズがあるのだろう。
単に自身がお店のターゲット層ではなかったと考えることも出来るが、なんとも考えさせられる経験であった。


それから少し時間が経っても、苦い思い出と共にあの店を思い出す。

わたしは人に求めすぎてはいないだろうか。求める前に、人に与えられる人間になっているだろうか。

杜撰な行動をしてしまった時、そして、
杜撰な行為をしようとする時。
あの店を思い出し、自身の糧にしなければと思う。

そうしなければならない程、
店での思い出はモヤモヤとして、
簡単には消化できそうにないと思うのだ。