メシフクロウの雑記

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アルル・ナジャが好きだ、を再認識した日の話

拝啓 アルル・ナジャ

アルルへ手紙でも書いてしまいたいくらい、今日は嬉しい日なのだ。
自分の中のアルル像がはっきりとしてきたので、備忘録として残しておきたい。


わたしはアルルのファンである。
茶色い髪にポニーテール、白と青でコーディネートした服装、天真爛漫な性格に、秘めたる才能。
女主人公で最も好きなキャラクターであり、容姿、資質、性格、どれをとっても憧れであった。


「あった」というのは、
わたしが好きなアルルという子は、一体どういう子だったのだろうかと思いあぐね、
最近とてもモヤモヤしていた為である。


昔、大好きな小説サイトがあった。
二次創作にも関わらず、アルルとシェゾの物語が繊細に描かれており、文中に出てくる2人が大好きだった。
キャラクターが世界を旅し、人生に葛藤し、迫り来る試練を乗り越えていく様子が、彼・彼女の息遣いを感じさせる程リアルだった。
文章は漫画のように姿形は見えないけれど、性格や思想といった、人間の生々しい輪郭を映し出してくれる。
アルルもこの世に生きているのだな、と感じさせる迫力が、あのサイトの小説にはあったと今も思っている。

しかし2014年を最後に、サイトの更新は止まったままになっている。体調を崩されたと伺える日記が投稿されて以後、連載していた長編小説も続きは投稿されていない。
いつか戻ってきてくれるのではないかという淡い期待と、新しい小説がアップされるたびに感想を送っていた自分が負担をかけたのではないか、と思い上がりに近い懸念を抱いている。


更新が止まって以後、徐々にぷよぷよの二次創作小説から足が遠退き、別な趣味も見つかった。
思い出したように漫画や小説、ぷよぷよ界隈の明るいニュースなどを見聞きするも、あれだけどっぷりと世界に浸ることはなくなった。

自身でアルル観を掘り下げてこなかった為もあるだろう。気づくと、アルルの天真爛漫さ、可愛さ、今まで憧れていた点が妙に疎ましく、感じるようになってきた。

何故好きだったのか自分の言葉で反芻することが出来ず、存在が二次元へと返ってしまったようで、モヤモヤとしていた。


今日Twitterを眺めていたら、小説を投稿したツイートを見つけた。そこで使われていた表現に、目から鱗が落ちた。

「アルルの中にも闇がある」

の一言だ。
アルルは光の魔導師だ。
だから彼女は明るい、天真爛漫だ。
主人公だから強い、前向きだ、素直だ。
その言葉通りに彼女の性格を想像していた。

しかし、彼女がもし三次元にいたとしたら、光もあれば闇も持ち合わせていただろう。
前向きな部分と後ろ向きな部分は同居しているだろう。
ゲーム画面で描かれがちなキャッチーな明るさもあれば、人前では見せづらい姿もあっただろう。

あの小説で感じていた奥深さとは、
その人の光と闇とを描き出し、二次元の存在をより立体的に見せていた技法のことだったのだ。


ツイートしてくれた作者様の小説も、短編ながら明るさと暗さを兼ね備えたものだった。
自身が感じていたモヤモヤに問いをくれ、素敵な小説を読ませてくれた作者様には感謝しかない。


アルルも普通の人のように、
悩んだり苦しんだりするのだ。
それでも、負けじと知恵と勇気をふりしぼり、
困難に立ち向かう。
そして最後は笑顔で笑っていられるように、力を尽くす。

そんな彼女が、わたしの憧れなのだ、
そう再認識でき、彼女が世界に存在しているような思いになって幸せな気持ちに包まれたのだ。


あまりに嬉しくて、ここまで勢いで文を書いてきた。
今日の気付きを忘れずに、彼女の所属ゲーム会社が変わっても、わたしは彼女のファンで居続けようと思うのだった。



最後に。蛇足です。

ここまで文章を書いてきて、
つまりわたしはアルルという大好きなキャラクターが巧みに描かれた小説が読みたくて読みたくて仕方がなく、

「アルルの魅力が言葉に出来ずモヤモヤしている」

などと、自分に想像力と文才がないのを盾に、
他者に創作物をねだっている状態ではないかと気づいたのであった。
漫画も大好きだが、想像力が欠如しているわたしには、活字で立体感をストレートにぶつけてくれる方が、空想の世界に浸りやすい気がする。



最後に、更新が止まったサイトの主様が万が一にも読んでいたらと思い、書いておきます。

主様
名が知れていなくても、出版されていなくても、あなた様の描き出すシェゾとアルルの物語は、わたしにとって大きな存在です。サイトを消さずにいてくださるのが、わたしにはとても嬉しいです。
素晴らしい出会いをありがとうございます。
もしまた筆を取ったなら、
というのは負担になってしまうかもしれませんので、いつかお元気な姿をネットの海で拝見出来たらとても嬉しいです。

どうかお体だけには気を付けて。
これからも、応援しております。